〜萌須田社・社員旅行 現地集合編〜



    「やっと……着いた。」

    社員旅行初日の朝、オレたちは集合場所へとやって来た。高知県高知市浦戸の桂浜にある坂本龍馬像の前へ。

    ……ちなみに、ここに来るまでの費用は自腹だった。

    「マスター、すでに誰か来ているようです。」

    たしかにすでに2人来ている。1人は頭の上に輪っかが浮いていて、もう1人は額に宝石のようなものが

    付いている。そして2人ともメガネをかけている。

    「あの、萌須田社の方ですか?」

    と、2人に声をかけてみると、

    「はい、香川支社のヴェッタです。」

    「愛媛支社のセイミでーす☆」

    なるほど、この2人が社長が言っていた四国からの参加者か。それにしてもヴェッタさんって

    どこかで見たような気が……。

    「はじめまして、オレは本社の……」

    「あの、社長からうかがってますから、自己紹介はいいですよ〜♪ ちなみに後ろの方々は右から順にココさん、

    アイリスさん、守璃さん、愛羅さん、ユズさん、RUNAさん、さくらさん、音夢さん、ですよね?」

    「は、はい。」

    「これから45日間、よろしくお願いしますね☆」

    「よろしくお願いします。」

    「あっ、こちらこそ。」

    と、オレが返事すると、他のみんなもセイミさんとヴェッタさんに、

    「よろしくお願いします。」/「よろしくねー。」

    と、返事をした。

    「ところで、たるぼさんはどちらにいらっしゃるのですか?」

    「さあ?まだ来ていないみたいだな。まあ、そのうち来るだろう。」

    と、ヴェッタさんを見て気付いた。見覚えがあるような気がすると思ったが、たるぼに似ているんだ!

    特に頭の輪っかが!

    オレがヴェッタさんを見つめて、不安そうな表情をしているのに気付いたのか、セイミさんが話しかけてきた。

    「たいじょうぶですよ〜、たしかにたるぼさんもウ゛ェッタさんも同じ研究所で作られましたが、ヴェッタさんの方は

    真面目な性格に作られていますから☆」

    ……それが本当なら良いのだが。



    「これで茨城支社と栃木支社の参加者の方は全員来ましたね。」

    「はいOKです〜。」

    アイリスの問いに元気に答える茨城支社の星古さん。

    これでまだ来ていないのはたるぼ達だけだが……。










    「ごめんごめん、間違えて仙台のお城にあるイタチマサムネ像の方に行っちゃった〜。」

    「たるぼさん、伊達政宗です。」

    「いやー、おかしいとは思ったんだけどさ、集合場所がどこか聞いていなかったし。」

    たるぼ達がやっと来た。

    「たるぼさん、責任者のあなたが一番最後に来るとはどういうこと! だいたいあなたはいいかげんすぎです。

    いくらテキトー回路が組み込まれているとはいっても、もう少し真面目にしてほしいですよ。それにあなたが

    いいかげんな事ばっかりしていると、同じ研究所で作られた私までそういう目で見られるんですよ。それと……」

    「ヴェッタちゃん、早く出発しないと植物園に行く時間がなくなっちゃうよ。」

    と、ココ。既に水族館と闘犬を見る時間は過ぎている。

    「あ、そうでした。それと、たるぼさん、あなたが手配したバスに乗れる人数よりも、参加者の数が多いですよ。

    香川、愛媛、高知、徳島の各支社から車を集めてきましたが、運転手がどうしても1人足りません。すぐに誰か

    連れて来て下さい。」

    そういう事はもっと早く言え、とオレが言うと、

    「責任者はたるぼさんですから。」

    と、ヴェッタさん。結構頭の固い人だな。

    「ココもたるぼちゃんと共同で責任者だよ。それと運転手はだいじょうぶだよ、愛羅ちゃんが運転できるから。」

    「そうですか、ココさん、失礼しました。それでは愛羅さん、運転お願いします。」

    「分かったわ、それじゃ出発しましょう。」

    こうしてオレ達は出発した。たるぼの遅刻のせいで最初の目的地となってしまった植物園へ。



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