〜特別任務『お弁当を届けよ!』〜  by守璃



   「あら、彼ったらお弁当持って行くの忘れちゃったみたいね?」

    そんな愛羅さんの声を聞き、見てみるとキッチンのテーブルの上には、さくらさんと愛羅さんが作った

   マスターのお弁当の包みが置きっぱなしになっています。そういえば今朝はずいぶん慌ただしかったようですし、

   うっかり忘れてしまったんですね。

   「ご主人様、お昼食べられないの?かわいそう・・・。」

   RUNAさんが心配そうな声を上げています。

   「まぁ、外食か何かで済ませると思うけど…。」

   「今日はいつもより奮発したのですが・・・残念です。」

   さくらさんがとてもがっかりした顔をしています。なんとかしてあげられないでしょうか・・・・・・・・・そうだ!!

   「さくらさん、愛羅さん。そのお弁当、守璃がマスターに届けに行ってきます!」

   「えっ!?いいの?」

   「はい!ローラーダッシューズを使えば小一時間ほどで行けると思います!」

   「・・・それじゃ守璃ちゃんお願いするわね。」

   「すみません守璃さん、よろしくお願いします。」

   「はい!守璃にお任せです!!」

    早速ローラーダッシューズを出してきて履いてみます。久々ですが調子は良好。心なしかこの子も

   嬉しそうに感じます♪さぁ萌須田社までひとっ走りですよー。




    あっという間に会社に到着!受付のお姉さんに話しかけます。

   「おはようございまーす。」

   「あら、守璃ちゃん。何か御用かしら?」

   「はい、マスターがお弁当を忘れたので届けにきました。」

   「そうなの?あ、でも彼なら・・・。」

   お姉さんの話によると急に工場の視察についていくことになって他県に行ってしまったということです。

   「残念だけど諦めて・・・。」

   (でもさくらさんに悲しい思いをさせたくない・・・。)

   よし!決心してお姉さんに話しかけ尋ねます。

   「あのっ!すみませんマスターの行き先を教えてもらえませんか?」





   「こ、ここですね。マスターがいるのは。」

   丁度お昼頃の到着になってしまいましたがマスターは・・・あっ、あの人影は!?

   「まいったなぁ、弁当持ってきてなかったとは・・・。しかしアイリス、食堂があったんだから外に食べに

   行かなくてもいいんじゃないのか?」

   「いえ、そうではなくて・・・ !マスター前を見て下さい。」

   間違いありません、マスターとアイリスさんです。

   「マスターーー!!お昼まだですよねー?」

   「守璃!?確かにまだだけどなぜここに?」

   「お弁当を忘れていたので届けに来たですよー。」

   「わざわざこんな所まで・・・・・・ありがとうな。んっ?アイリス、ひょっとして・・・?」

   あれ?アイリスさんが少し微笑んだように見えましたが・・・?

   まぁいいか、とりあえずお弁当を貰おう。よし、あそこにあるベンチで食べるか。」

   お弁当の蓋を開けてみて守璃達は一瞬固まってしまいました。だって中身は・・・。

   「・・・見事に片寄ってしまっているな。」

   「相当とばして来たんですね。慣性の法則に耐えられなかったようですね」

   「す、すみませんマスターこれじゃあ食べられませんよね?片付けます!」

   ですがマスターは守璃の手を制して言いました。

   「せっかくさくらと愛羅が作ってくれて、何よりこんな遠くまで守璃が運んでくれたんだ。

   捨てるなんて勿体無い、頂くよ。」

   マスター・・・守璃は何だか胸に熱いものが込み上げてくるのを感じました。

   「マスター大好きです!!」

   そう言って嬉しさのあまり、思わずマスターに抱きついてしまいました。




    家に帰ったら愛羅さんに連絡しなかったことを注意されてしまいましたが、さくらさん共々感謝もされました。

   それにマスターの良いところを見ることもできましたし、悪くない1日でした♪

    そして再認識します。守璃の存在はみんなの笑顔を守るためにあるのだと・・・。






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