〜萌須田社・社員旅行 高知編&駅前編〜





   「ココさんたち、遅いですね……。」

   高知城の、板垣退助像の前で、麻綺はつぶやいた。

    今は社員旅行の途中で、二手に別れて、それぞれお城周辺、または鍾乳洞&動物園へ行くことに

   なっていたのだが、バスで先にお城へ向かったココたちが来ず、後からワゴン車や軽トラックなどで移動した

   麻綺たちが先に着いたのである。

    ちなみに、麻綺たちと一緒に車で来た他の参加者は、お城の見物を終え、街で買い物や食事を楽しんでいる。

   この場に居るのは麻綺とセイミの2人だけだ。

    ……アイリスと、そのマスターも残ると言っていたのだが、セイミが『ここはいいから、2人でデートを

   楽しんできて☆』と、妙な気をきかせたため、今頃は『はりまや橋』というモニュメントのあたりで記念撮影や

   買い物を楽しんでいるはずである。




    麻綺は、セイミの方を見た。

    セイミは携帯のような装置を操作していた。

   「セイミさん、何をしているのですか?」

   「ウ゛ェッタさんとお話しているの☆」

   「そうですか。たしかウ゛ェッタさんは、ウ゛ェスさんやルカさんたちと一緒に、愛羅さんが運転するワゴン車で、

   龍河洞という鍾乳洞へ行ったのですよね。」「ええ、今頃は、のいち動物公園という所に居るはずよ☆」

   「ところで、ココさんたち、まだ来ませんが、どうしますか?」

   「そうですね……。今から一緒に商店街の方に行かない? きれいな珊瑚のアクセサリーを売っている店を

    知っているのよ☆」

   「ココさんたちはどうするのですか?」

   「今日は戻って来ないですよ☆ ココさんたちは今、神戸市内の商店街巡りをしているみたいだから……、

    『こうち』と『こうべ』を間違えたみたいね☆」

   「なぜ分かるのですか?」

   「ちょっと前に四国4支社共同で88基の小型偵察衛星を打ち上げたのよ☆ それを使えばココさんたちの

   居場所はすぐにわかったわ☆ それと、たるぼさんたちも違う所に行っているようね。山口県の秋芳洞へ

   向かっているのを確認したわ☆ もちろんウ゛ェッタさんにもこの事を伝えたから☆」

   「……。」

   「ココさんたちとたるぼさんたちには明日の朝に、それぞれ新居浜駅前と高松駅前へ来るよう連絡したから

    大丈夫☆、さあ、一緒に行きましょう☆」




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   「たるぼさん、本当にここで合っているのですか?」

   「大丈夫ですよ〜、ヤモリさん。ちゃんと星古……じゃなかった、セイミさんに聞いた通りにしたから、

    すぐにウ゛ェッタさんが迎えに来ますよ〜。」

   「守璃です。それに今12時ですよ。もう5時間も待っていますが。」

   「少し遅れているだけですよ〜。それにセイミさんから連絡を受けた時、間違えないように、

    てのひらに油性マジックでメモを書かされたから間違えるはずはないですよ〜。ほら、ちゃんと

    『高松駅前に、午前7時までに行く』って書いてあるでしょ〜。」

   「……たるぼさん、ここは浜松駅前ですが……。」

   





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