〜萌須田社・社員旅行 運送編〜







   「この荷物を高知まで運んで。」

   と、香川支社配達部門の責任者。

   社員旅行という名の出張で四国へ来ている愛羅とナンパ男は、配達の仕事を言いつけられた。

   「高速道路料金は出せないから一般道を通ってね。それと届けたら連絡して、次の仕事を伝えるから。」




   「いや〜、愛羅ちゃんと一緒にお仕事出来るなんて、嬉しいなあ〜。」

   と、ナンパ男。この後待ち受ける運命を、彼はまだ知らない。





   「愛羅ちゃんスピード出しすぎ!谷に落ちる!」

   名所"大歩危"の近くを通る道を、猛スピードで走る、車体に"萌須田社・香川支社"と書かれたトラックの

   助手席で、ナンパ男は涙目になっていた。

   「大丈夫よ〜、それに四国じゃこういうのが普通らしいんだって。"伊予の早曲がり"とか"香川ルール"とか

   言われているそうよ。」

   「それは違う〜!それにここは徳島県!」





   高知にて。

   「荷物、無事に高知へ届けました〜。」

   無線で報告する愛羅。

   『そう。次は、いの町、日高村、佐川町、越知町、仁淀川町、土佐町、本山町、大豊町、大川村で荷物を

   受け取って、それを新居浜へ届けて。』





   高知県の山間部を猛スピードで走るトラックの中で、

   「愛羅ちゃん!運転中にビールを飲まないで!」

   恐怖で青ざめ、泣きながら愛羅の飲酒運転を止めようとするナンパ男。

   「大丈夫よ〜、高知じゃこれが普通らしいし〜。」

   「そんなわけない!!」




   愛媛支社の倉庫の前にて。

   「新居浜へ荷物を届けました〜。」

   『それでは次に、セイミさんから荷物を受け取って、それを四万十市まで届けて。』

   その後、愛羅とナンパ男は、

   新居浜→四万十→須崎→今治→室戸→徳島→安芸→丸亀→南国→西条→久万高原→宇和島→

   高知→松山→新居浜→高知→観音寺→土佐清水→新居浜→室戸→宇和島→阿南→土佐清水→高松

   ……と、四国各地を走り回ることになった。




   高松に戻って来た頃には、ナンパ男はぐったりして声も出せなくなっていた。

   「それじゃ、次はこれらの荷物を、それぞれ山口県下関市、和歌山県串本町、石川県珠洲市、

   千葉県館山市、青森県むつ市まで運んで。瀬戸大橋の通行料だけ渡しておくね。」






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